水漏れがマンションで発生したときの対処法と予防法|保険は使える?
2019年9月25日
マンションでの水漏れは、水漏れの発生場所によって責任者が異なります。水漏れの修理費用は責任者が負担することになるため、責任の所在を明らかにすることは大切なことです。また、水漏れの発生の原因によっては保険を適用することができ、修理費用を補償してもらうことができます。
そこでこの記事では、水漏れがマンションで発生した場合の対処方法や、水漏れ修理の補償対象となる保険の確認方法、水漏れを未然に防ぐ方法などをお伝えします。この記事を最後までお読みいただくことで、水漏れの加害者になってしまった場合も被害者になってしまった場合も、適切に対処することができるようになるでしょう。
水漏れがマンションで発生したときの対処と原因
水漏れがマンションで発生することは頻繁にあることではありません。そのため、いざ遭遇すると対応に頭を悩ませてしまうでしょう。そこで、水漏れトラブルの加害者になってしまった場合と被害者になってしまった場合、両方のケースの対処法についてお伝えします。
水漏れの加害者になったら…
水漏れの加害者となってしまった場合、被害が拡大しないうちに下記の場所に早急に連絡するとよいでしょう。
【1】管理会社・大家さんに連絡する
水漏れが発生したら管理会社や大家さんへ連絡して、相談するとよいでしょう。管理会社や大家さんによっては、加害者に代わって、被害者への連絡などをおこなってくれるそうです。
また、水漏れの原因が経年劣化によるものの場合、修理費用は管理者側が負担してくれる場合が多いです。責任の所在を明らかにするためにも、水漏れが発生したら管理会社や大家さんへの連絡を優先しましょう。
【2】水道業者に連絡する
管理会社や大家さんによっては、加害者に代わって水道業者を手配してくれる場合があります。しかし、水道業者までは手配してくれない管理会社や大家さんもいるため、その場合は自分で手配しなければなりません。
また、夜遅い時間帯で、管理会社や大家さんと連絡が取れない場合も考えられます。そういった場合は、連絡が取れる時間まで待っていると状況が悪化してしまうため、水漏れを直すことを優先し、水道業者へ連絡しましょう。
なお、修理後は、水漏れの原因を記した書類を用意してもらうとよいです。水漏れの原因が経年劣化によるものの場合、管理者側が負担すべき費用になるため、その証明となります。
【3】電気会社に連絡する
水漏れは漏電を引き起こす原因です。さらに、漏電は火災を引き起こす原因にもなります。そのため、水道業者へ連絡したら電気会社にも連絡し、漏電を防止しましょう。
水漏れの被害者になったら…
水漏れの被害にあってしまったら、管理会社や大家さんへ連絡しましょう。管理会社や大家さんが、被害者に代わり水漏れの原因や加害者を特定してくれます。
また、もし自分で加害者を特定できた場合でも、直接加害者に接触したり賠償請求したりすることはやめておきましょう。加害者と被害者との直接的なやり取りはトラブルに発展することがあるため、必ず管理会社や大家さんに間に入ってもらい話を進めるとよいです。
水漏れ発生時の責任者は誰になる?
水漏れが起きた場合、責任の所在を明らかにすることが大切になります。水漏れによって損害が生じると、責任者が被害者へ損害賠償しなければならないからです。責任の所在が誰にあるのかは、水漏れの発生場所がマンションの専有部分か共用部分かによって異なります。
マンションの専有部分で起きた水漏れで、人為的な破損が原因だった場合、責任の所在はその部屋を所有する人にあります。また、共用部分の水漏れの場合は、管理会社や大家さんの責任です。また、水漏れの原因が人為的な破損ではなく経年劣化だった場合、専有部分の水漏れでも管理会社や大家さんの責任になります。
水漏れが起きやすい原因
過失による水漏れの原因は、トイレや洗面所の破損だけでなく、蛇口の閉め忘れや洗濯機のホースが外れている場合などの過失があげられます。また、経年劣化による水漏れの場合は、給水管や排水管の劣化などがあげられるでしょう。経年劣化による水漏れは自分ではなかなか防ぐことができませんが、不注意による水漏れは防ぐことができるため気をつけましょう。
原因がわからない…そんなときは
水漏れの原因がわからなければ、責任者を特定することができません。とくに水漏れの被害にあってしまった方は、責任者が特定できないと誰に損害を賠償してもらえばよいかわからないでしょう。
そこで、「水漏れ原因調査費用補償」という補償を活用することができます。ご加入の火災保険によっては、水漏れ原因調査費用補償の対象となっています。その内容は、水漏れの原因を特定するためにかかった費用を補償してくれるといったものです。そのため、ご加入の火災保険に水漏れ原因調査費用補償が含まれている場合は、水道業者へ連絡して水漏れの原因を特定してもらうとよいでしょう。
水漏れ修理には「保険」を活用できる?
水漏れがマンションで発生すると、直すために修理費用がかかりますが、場合によっては保険を適用することができます。しかし、水漏れの原因によっては、保険が適用できない場合もあるのです。そこでここでは、水漏れ修理に適用できる保険の種類や、保険が適用されなかった場合の費用についてお伝えします。
【1】火災保険
水漏れトラブルには、火災保険が対応しています。そのため、ご自身が加入されている火災保険が、水漏れの修理費用を補償してくれるのか補償内容を確認することが必要です。補償内容を確認するためには、保険会社に直接問い合わせるとよいでしょう。その際に、水漏れの発生場所と原因を特定しておいて伝えるとよいです。
【2】損害賠償
損害賠償には、個人向けの「個人賠償責任保険」と管理者向けの「施設賠償責任保険」があります。この保険は単体で契約するものではなく、基本的に火災保険や傷害保険、自動車保険などの特約として契約することが多いです。
また、本体となる保険が自動車保険など、一見マンションの水漏れとは関係がなさそうな場合でも、特約の個人賠償責任保険は水漏れ修理に対応している場合があります。そのため、特約で個人賠償責任保険に加入している方は、保険会社に問い合わせて水漏れ修理が保険の対象かどうかを確認するとよいでしょう。
保険が適用されないケースもある
水漏れの発生原因によっては、保険が適用されない場合があります。配管の経年劣化など、水漏れすることが予測できたのにも関わらず対処してこなかった場合は、保険が適用されません。しかし、賃貸マンションの場合、配管などの管理責任は管理会社や大家さんにあります。そのため、経年劣化による水漏れ修理の費用は管理者側が負担してくれるでしょう。
水漏れ修理にかかる費用ってどれくらい?
水漏れ修理にかかる費用は、修理をおこなう場所によって異なります。水漏れが発生しやすい場所ごとの料金相場を確認しましょう。
【蛇口】
蛇口の水漏れは、ゴム製のパッキンの劣化が原因で発生することが多いです。そのため、パッキンの劣化が原因だった場合、パッキンを交換するだけで改善することができます。パッキンの交換の費用相場は、8,000円~1万円程度です。
【トイレ・浴室】
トイレや浴室の水漏れも、パッキンの劣化が原因になっている場合があります。その場合、蛇口と同じで、修理費用の相場は8,000円~1万円程度です。
しかし、トイレや浴室の場合、パッキンだけでなく各部品の劣化が原因で水漏れしていることがあります。その場合、部品を交換する必要があるため、料金は高くなります。交換する部品の種類にもよりますが、修理費用の相場は1万円~3万円程度です。
マンションでの水漏れを未然に防ぐには?
水漏れをマンションで発生させてしまうと、自分が困るだけでなく、ほかの入居者の方にも迷惑をかけてしまいます。そのため、水漏れが起きないように未然に対策しておくことが大切です。そこでここでは、水漏れがマンションで発生するおもな原因と対処方法をお伝えします。
蛇口は使い終わったらきちんと閉める
水漏れの原因として多いのが、蛇口の閉め忘れによるものです。とくに、洗濯機の蛇口は、使っていないときでも開けている方が多いのではないでしょうか。洗濯機の給水ホースには、オートストッパー(ホースが水栓から外れた際に自動で水が止まる機能)がついています。
しかし、この機能は給水ホースが水栓から外れた場合のみ作動します。そのため、洗濯機と給水ホースの間の金具が外れてしまったときなどは、オートストッパーが機能せず、水が止まることはないのです。外出中などに水漏れを起こしてしまうと、対応することができないでしょう。そのため、水を使い終わったら蛇口を閉めておくことが大切なのです。
トイレはつまらないような使い方をしよう
トイレがつまって水漏れを起こす場合があります。そのため、普段からトイレはつまらないような使い方をしましょう。トイレは、紙の使い過ぎでつまる場合が多いです。また、トイレに異物を入れてしまってつまらせてしまう場合も考えられます。
とくに小さなお子様がいるご家庭では、子供が誤っておもちゃなどをトイレに入れてしまう場合も多いです。小さなお子様がトイレに勝手に入れないように対策するなど、トイレがつまらないように気をつけましょう。
水の侵入口を塞ぐ
蛇口の閉め忘れやトイレつまりのほかにも、雨が家の中に侵入してしまう場合が考えられます。とくに窓のサッシやレールが劣化して隙間ができていて、そこから雨漏りしてしまう場合があるのです。もし、窓のサッシやレールに隙間ができている場合、交換して隙間をなくしておくとよいでしょう。
定期的に掃除・点検する
マンションの管理組合によっては、定期的に給水管や排水管の清掃や点検をおこなっています。定期的に清掃や点検をおこなえば、水漏れを未然に防ぐことができるのです。しかし、なかには都合が合わない方や人を家に入れたくなくて清掃や点検を拒否してしまう方もいるのではないでしょうか。
そういった事情があったとしても、定期的な清掃や点検をしていないと、共用配管から水漏れしてしまうおそれがあります。そのため、定期的な清掃や点検は必ず受けるようにしましょう。
まとめ
水漏れがマンションで発生した場合、適切に対処することが大切です。水漏れを発生させてしまった場合、まず管理会社や大家さんへ連絡します。すると、ご自身の代わりに水道業者や被害者に連絡してもらえることでしょう。
しかし、夜遅い時間帯などで、管理会社や大家さんに連絡が取れない場合もあるかと思います。そういったときは、水道業者への連絡を優先して水漏れを早急に直してもらうとよいです。
水漏れの修理費用は、ご加入の火災保険や特約の個人賠償責任保険の補償内容によっては、修理費用が補償される場合があります。そのため、業者に修理してもらったあとは保険会社に連絡をして、補償の対象かどうかを確認してみてください。
水漏れは、普段から気をつけて未然に防ぐことも大切です。蛇口の閉め忘れやトイレつまりなどは水漏れしてしまうことが多い場所になるので、とくに気をつけておきましょう。
弊社では、水漏れ修理に対応した業者をご紹介することができます。ご依頼者様の条件に合った業者をご紹介することが可能ですので、お困りの際はぜひお気軽にお問い合わせください。