トイレタンクの浮き球を自分で交換・調節する方法!費用についても
2019年6月26日
トイレの水の流れが悪い場合、ボールタップという部品の一部である「浮き球」に原因があることが多くあります。これらの不具合を解消すれば、水の流れを正常に戻すことができるかもしれません。
しかし、「浮き球の交換の仕方がわからない……」「不具合の解消方法がわからない……」といった悩みを持っている方も多いはず。そこで今回は、水の流れが悪い場合に試したい、ボールタップの交換方法やボールタップの調節方法についてご紹介していきます。
トイレのタンクにある浮き球の役割・交換時期
まずは、そもそも浮き球がなんのためにあるのか、浮き球の役割や交換のタイミングについてお伝えしていきます。
浮き球の役割
浮き球とはボールタップにつながっている玉形の装置で、ボールタップの一部です。この浮き球の役割は、水量を調節することです。
水の量が増えると水位が上がって浮き球が上がります。その後、ボールタップが動き、排水弁をふさぐことで水の給水が止まります。一方、水を流して水位が下がると、浮き球の位置も下がるので水の給水がはじまるというしくみになっているのです。
交換するタイミング
トイレの耐用年数は15年といわれています。しかし、それ以上使っている方もきっと多いのではないでしょうか。ボールタップを交換する時期についてははっきりと申し上げることができませんが、15年以上使っているということであれば交換しておくのが無難です。
そのほかのタイミングとしては、不具合やトラブルが起きた際に交換するのが一般的です。
ボールタップを交換したほうがよいトラブル例として、「タンク内でずっと水が漏れている音がする」「トイレの水が止まらない」「トイレの水が出ない」などがあります。このようなトラブルが起きている方は、ボールタップを交換してみましょう。
浮き球を自分で交換してみよう!
では、浮き球に不具合やトラブルが起きたときにはどのように交換すればよいのでしょうか。以下で詳しく説明していきます。
交換する箇所
ここまで説明したようなトラブルで問題が起きた場合、「ボールタップ全体を交換する」もしくは「浮き球を調節してタンク内の水位を調節する」という2つの解決法があります。
浮き球のみを交換するときは浮き球が特殊な形状をしている場合もあり感覚で調節しなくてはならないため、手先の器用さが求められます。不安な場合は水周りのトラブルに対応してくれる業者に依頼するようにしましょう。
ボールタップ全体の交換は自分でも比較的簡単にできるので、その交換方法について簡単に解説していきます。
交換に必要な費用
自分でボールタップを交換するときの費用は、すべて込みで1万円ほどです。そして交換に必要な部品はおもに以下のとおりです。
必要な部品
- 新しいボールタップ
- モンキーレンチ
- ドライバー(必要に応じてプラスとマイナス両方)
これらは安いものだと数千円でそろえることができますが、これらの高いものだと5万円以上になってしまうこともあります。しかし、高価なものを用意しなければならないということはありません。
部品を購入する際は「自宅と同じ種類のボールタップであるかどうか」が大切です。それだけはしっかり確認しておきましょう。
「どの種類を購入すればいいのかわからない……」という方は、水道メーカーに問い合わせたり、ボールタップを写真で撮ってから購入するホームセンター等で店員さんにたずねてみたりするとよいでしょう。
ボールタップ全体を交換する方法
まずは、「ボールタップ全体の交換方法」についてご説明していきます。まずはトイレのフタやカバーを外しましょう。トイレの種類によって、手で簡単に取り外すことができるものと、モンキーレンチやドライバー等を使って接合部分を取り外さないといけないものがあります。
トイレのフタは基本的に重たいので、落として割らないように気をつけてくださいね。
フタやカバーを外すことができたら、交換する前に止水栓を閉めてタンク内の水を抜いておきましょう。水を抜いたら、タンクの外側につながる給水管を外します。
ボールタップを押さえながら、袋ナット(小さなナット)とつばつきナット(大きなナット)をモンキーレンチで外すことで給水管を取り外すことができます。
そして、古いボールタップを引き抜いて取り外しましょう。外すことができたら新しいボールタップを取り付け、給水管の2つのナットを閉めます。
給水管をつけ終わったら、給水をしてみましょう。このとき、水位がオーバーフロー管の2~3センチメートルあたりで止まるように浮き球を調節しましょう。
「WL-」というマークがタンクについているトイレもありますので、このマークがついている場合には、これを目印にしてみてください。オーバーフロー管とは、タンクの底から垂直に伸びている管のことです。
水位を調節するためには、水位調節リングがあるタイプの場合、水位がマークよりも低かったら右、高かったら左にリングを回しましょう。それぞれ90度回すと、8ミリメートルずつ水位が変化します。
また、水位調節リングがない場合には、浮き球の付け根部分の支持棒を動かしましょう。本体に負担がかからないように、水位がマークより低い場合には支持棒を上にあげ、高い場合には支持棒を下におろしましょう。
浮き球が「上がらない」「下がらない」ときの調整方法
次は、「浮き球の調節」についてご説明していきます。浮き球が上がらなかったり下がらなかったりするなど、正常な動きをしていない場合に試してみてください。
浮き球が正常な動きをしていないと……
トイレの浮き球は水量を調節する役割を持っていますので、トイレの浮き球が正常に動いてないと水の量が調節できなくなるおそれがあります。そのため、ちょろちょろと水が出たままになってしまったり、水の流れが悪くなってしまったりします。
浮き球の調節方法
ここからは、「浮き球の調節方法」についてご説明します。浮き球を調節する前には「トイレの元栓を閉めること」と「トイレタンクのフタやカバーを外しておくこと」を忘れずにおこないましょう。では、以下からは浮き球調節の手順についてご説明します。
1.水かさを標準水位に合わせる
まずは水かさを標準水位に合わせましょう。浮き球の交換時と同様に「WL―」の印がついているものに関してはそこを目印に、ついていないものに関しては「オーバーフロー管の2cm~3cm下」に調節してみてください。
水位調節リングがある場合には水位調節リングを使って水位を調節し、ない場合には支持棒を動かして水位を調節しましょう。
2.タンク内の水を抜く
浮き球を調節する前に、トイレタンクの水を抜いておきましょう。
3.鎖を調節する
レバーとフロートタンクの間に鎖が取り付けられているのが確認できますが、これはレバーを回したときにフロートバルブが開閉するための鎖です。フロートバルブが開閉することで、水を流すことができるしくみになっています。
そのため、この鎖を調節することが大切で、目安としては「少したるませた状態」がベストです。
鎖がピチッと張ってしまった状態では、そもそもフロートバルブが閉まらないということにもなってしまいます。具体的な目安としては鎖を2~3個程度余らせるくらいが理想です。
4.フローバルブに異物が詰まっていないか確認
レバーをひねるとフローバルブから水が流れるしくみになっていますが、フローバルブに異物が詰まっていた場合は水を流すことができません。そのため、フローバルブに異物が詰まっていないか確認し、詰まっていた場合には取り除きましょう。
5.浮き球に異常がないか確認
浮き球に異常がないかチェックしましょう。異常の場合とは「浮き球がタンク内に引っ掛かっている状態」や「浮き球に水がたまっている状態」などがあげられます。
浮き球がタンク内に引っ掛かってしまっている場合には、支持棒などで調節し、引っ掛かりを解消しましょう。浮き球に水がたまっている場合には、浮き球に亀裂があり、そこから水が入ってきた可能性が高いので、浮き球を交換する必要があります。
6.トイレのフタやカバーを閉める
浮き球を交換したら、トイレのフタやカバーを戻しましょう。
7.元栓を開ける
最後に、閉めておいた元栓を開けたら作業完了です。
業者に依頼するべき?と迷ったときは……
水の流れが悪い場合、自分で対処するだけではなく、業者に依頼する方法もあります。ここでは、業者に依頼する方法についてご紹介していきます。
こんなときはプロへ相談が正解
ここまでボールタップの交換方法や浮き球の調節方法についてご説明してきましたが、難しいと感じる方や、交換や調節を自分でできる自信がないといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、自分で試してもうまくいかなかった方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方は、水漏れを直してくれるプロの業者に依頼することをおすすめします。業者に依頼すれば専門的な知識を持ったスタッフが作業してくれますから、自分でおこなうよりも確実に交換・調節をおこなうことができますよ。
夜間・早朝の修理は料金が高くなるので注意!
実際に業者に依頼するときは、夜間や早朝は避けることをおすすめします。夜間や早朝に依頼した場合は時間帯料金として追加料金を取られてしまうこともありますので、緊急な場合以外はなるべく昼間に依頼するとよいでしょう。
受付の電話は早めにするのがオススメ!
また、業者に依頼する場合には早めに電話することをおすすめします。トイレは日常生活で頻繁に使うものなので早く修理したいですよね。しかし、人気な業者ほど、予約が早く埋まってしまいます。
予約が取れないと、どんどん日程が先になってしまいますので、業者に依頼する場合はなるべく早めに電話するようにしましょう。
まとめ
今回は浮き球の調節方法や、ボールタップの交換のしかたを中心にご説明してきました。トイレの流れが悪かったり、トイレがずっと流れたりする場合は、トイレの水量を調節する浮き球やボールタップに原因があるかもしれません。
そのため、まずはボールタップ全体を交換したり、浮き球を調節したりしましょう。ただ、今回は具体的な方法についてご説明してきましたが「自分では対処できなさそう」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方は、業者への依頼も検討してみてくださいね。