アパートでのトイレのつまりで注意すべきこと。原因と自分でできる対処法
2019年5月31日
この記事では、トイレのつまりが起こったときの対処方法を解説します。業者に依頼する必要があるのは、どのような症状のときなのでしょうか。また、アパートでトイレのつまりが発生したときに知っておきたいこともご紹介します。
トイレのつまりは突然起こります。つまるとついつい慌ててしまいがちですが、対処する方法を知っていれば、自分で解消することも可能です。しかし原因によっては、業者を呼ばなければならない場合もあります。それを見極めるためにも、ぜひこのコラムを参考にしてください。
アパートのトイレつまりで注意するべきこと
アパートでトイレのつまりが起きたときに注意すべきことはふたつあります。ひとつめは修理費を出す責任が、誰にあるのかを明確にすることです。そしてもうひとつ重要なのが、トイレつまりに対処しないまま放っておかないことです。
修理費用を負担するのは誰か
業者を呼んでつまりを直してもらった場合などに費用を負担するのは、部屋を借りている借主でしょうか。それとも賃貸の管理者でしょうか。金銭面のトラブルにも発展しうる修理の責任の所在に関しては、契約内容をもとに管理者と話し合って結論を出しましょう。
修理費用を負担が誰になるのかは、その賃貸の大家さんまたは管理会社と結んだ契約内容によって大きく異なります。トイレのつまりが発生して対処したときは、管理者に連絡するようにしましょう。
トラブルを避けるためにも、契約したときの書類にある修理費に関する項目を事前に確認しておくことがおすすめです。
放置した場合に起こるトラブル
つまりを放置したときには、二次被害として水漏れが考えられます。アパートでトイレのつまりが発生し、水漏れも引き起こした場合、下の階や隣の部屋にまで浸水の被害が及ぶおそれがあるのです。
トイレつまりには原因によって放置すれば直るタイプと放置すると逆に悪化してしまうタイプのものがありますので、それぞれの場合への適切な対応を理解しておきましょう。
トイレつまりの原因
トイレのつまりは「自然に直る」タイプのつまりと「放置してはいけない」タイプの2タイプに分類できます。つまりを引き起こしている原因が何なのかよってこの違いが生じます。原因によって真逆の対応をする必要があるということなので、2タイプの違いはぜひ知っておきたいポイントです。
自然に解消されることがある例
自然に直るタイプのつまりは、何が原因になっているのでしょうか。答えは「放っておけば水に溶けるもの」が原因となってつまっているときです。以下に挙げたようなものがつまっていると考えられる場合は、つまっても慌てず様子を見るようにしましょう。
- トイレットペーパーがつまったとき
- 排泄物がつまったとき
- 「トイレに流せる」とされている製品がつまったとき
トイレットペーパーや排泄物がつまった場合は、2~3時間様子を見てください。ただし、海外製のトイレットペーパーは上記の目安時間以上に、水に溶けるのに時間がかかる場合があります。またトイレに流せる製品は半日ほどで水に溶けることが多いようです。
上記の時間待っても改善しない場合はこの記事の「簡単にできるつまり解消法」で紹介している方法を試してみてください。それでも解決しない場合は業者に相談することをおすすめします。
放置してはいけない例
放置してはいけない原因物の例として挙げられるのは、水に溶けないものや吸水性のあるものを流してしまった場合です。トイレは水に溶けないものが流れることを前提として設計されていません。以下のものがトイレに詰まったら、放置せずにすぐに対処しましょう。
- 吸水性のあるものを流した
- 水に溶けないものを流した
- スマホや鍵などの小物を流した
この中でもとくに気をつけなければならないものが、吸水性のあるものを流してしまったときです。吸水性のものの例としては、赤ちゃんのオムツや生理用品があります。これらは水を吸う物質が含まれているこれらの製品は膨張するため、つまった状態で放っておくと配管を傷つけることがあります。
水に溶けないものや吸水性のあるものがトイレにつまってしまった場合は、業者を呼ぶようにしましょう。これらの吸水性のあるものは取り除くのは自分では難しいうえに、早めに対処しなければなりません。業者に依頼することで適切な処置を受けることができます。
簡単にできるつまり解消法
ここからは、トイレがつまったときに試してほしいつまり解消法を紹介していきます。ここで紹介する方法は、水に溶けるものがつまったときにのみお試しいただけます。水に溶けないものがつまった場合は、すぐに業者に相談するようにしてください。
バケツで水を流す
水を加えて水圧でつまりの原因を流す方法です。バケツに水を用意し、便器の中に、腰位の高さから流し入れます。水が跳ねないように気をつける必要がありますが、特別な道具が必要ない方法なのでまずはこれを試してみましょう。
このとき、温水便座などの電源プラグは抜いておくようにしてください。また、止水栓や水の元栓を締めて水が流れないようにしましょう。また、作業前に便器にある水が多すぎるときは汲み取るようにしてください。
ラバーカップで直す
ラバーカップとは、ゴム製の器のようなものが棒の先に取りつけられている器具のことです。「すっぽん」や「かっぽん」などと呼ばれることがあります。このラバーカップを使用することで、多くの場合はつまりを解消することができます。
使い方は、棒の先についているお椀形のゴム製のカップの口を便器の汚物が流れていく穴の部分に密着させ、ひっぱります。これを何度か繰り返すと圧力でつまりの原因になっているものが動き、つまりが解消されます。
水がある状態でおこなう必要があるので、水位が低い場合は水を足してから作業をしましょう。
ちなみに、ラバーカップには洋式トイレ用と和式トイレ用があります。洋式用はカップの内側が出っ張った形をしており、和式ようにはこの出っ張りがありません。ご自宅にあるものがどちらのタイプであるかを確認しておきましょう。
重曹とクエン酸を使う
次に紹介するのは、重曹とクエン酸を混ぜたときに発生する泡を利用してつまりを解消する方法です。重曹もクエン酸も、両方ともスーパーやホームセンターで購入でき、台所の掃除などでよく使われるものです。
ふたつを混ぜると発生する泡は二酸化炭素で、お手製の炭酸ジュースの材料としても紹介されることがあるので、安全です。
作業前の準備として、便器半分ほどのお湯と、1/4カップの重曹(60ml)と1/2カップのクエン酸(120ml)を用意します。そして止水栓や水の元栓を締め、温水便座等の電源類を抜いておきます。お湯の温度は50度ほどが適温です。
まず、重曹を便器の中の水に撒きましょう。次にその上からクエン酸を入れます。ここにお湯を入れることで、泡が発生します。これを1時間ほど放置したあと、水が引いていれば成功です。それでも流れていない場合はラバーカップを使用しましょう。
お湯でふやかす
お湯を流すという単純な方法でも、つまりを解消することができる場合があります。「バケツの水で流す」方法で使った水を、60度ほどのお湯に変えてみてください。お湯を注いで30分ほどでつまりが改善できることがあるので、道具がないときはこの方法も試してみましょう。
道具と知識があればできる解消法
水に溶けるものがつまってしまったときのために、ここでは道具を使ったつまり解消方法を紹介します。確実性の高い方法で対処したい場合はこちらの方法をお試しください。
ワイヤーで直す
ホームセンターなどで購入できる、つまり取り専用のワイヤーを使用する方法です。このワイヤーは、トイレの便器に直接挿入して、つまりの原因を崩したり引き抜いたりして使用します。使いこなすにはコツがいりますが、慣れてしまえばもっとも確実な方法といえます。
真空式パイプクリーナーで直す
台所や洗面台、お風呂などの水回りのパイプ洗浄に効果的な真空式パイプクリーナーをトイレつまりに応用するほうほうです。真空式パイプクリーナーは大きな注射器のような形をしており、先端にはラバーカップと同じゴム製の皿がついています。
ラバーカップの要領で便器の穴に押あて、注射器のようなシリンダーの部分で水を吸い上げ、押し出す動作を繰り返すことで、つまっているものを取り除きます。
自分で直せない場合は業者に依頼しよう
自分で直せない場合や、急を要する場合は業者に相談することをおすすめします。アパートでのトイレのつまりが悪化すると、最悪の場合漏水が起き、周りの部屋にも被害が及んでしまいます。業者に頼んだ方がよい例は以下のようなときです。
普段から水の流れが悪いとき
水の流れる量が少ないと、汚物を排出するための水圧が足りなくなり、結果的にトイレのつまりが起こる頻度が高まります。水の流れが少なくなる原因には、長年の使用により、汚水の中の尿素などの成分などが固まって流れを阻害してしまう場合があります。
また、水をためておくタンクの方に問題があることもあるので、水の流れが悪く原因が分からない場合は業者に点検してもらうとよいでしょう。
便器を外す必要があるとき
つまりが配管の奥で起こった場合、便座を外すことになります。この作業は業者なしでは困難です。自分で対処しても直らない場合は、便座より下部の配管に問題がある可能性があります。そのようなときは、業者に相談しましょう。
まとめ
アパートでトイレのつまりが起こった場合にまず注意したいのが、「誰の責任で対処するのか」ということと「放置はしない」ということです。賃貸の契約の契約書がある場合はそれにしたがい、トイレでトラブルがあったら管理会社や大家さんに報告するようにしましょう。
また、この記事ではトイレつまりへの対処法も紹介しました。トイレつまりはつまりの原因が何かによって対処方法をわけて考える必要があります。自分で対処する場合は、この記事で紹介した方法を試してみてください。
自分で対処しても改善できないときや、専門的な作業が必要な場合は業者に相談することをおすすめします。